初めに、この記事はどちらかと言うとコーヒー豆のご購入を検討いただいているお客様向けというよりは当店と同型の焙煎機(Aillio Bullet R1 V2)を使用しているもしくは興味があるという方向けとなる事をご了承ください。記事をカテゴリごとに分けられれば良かったのですが、サイト制作のプロではない私には少々ハードルが高くまだ実装できていません…泣。
パーツ交換の経緯
機械には生き物のような自然治癒能力はないので、ずっと何もせずに使い続けていられるという事はできません。Aillio Bullet R1 V2(以下Aillioで統一)もきちんと毎日焙煎するためには定期的な清掃や機械メンテナンスが必要となります。
相棒のAillioから不定期(予熱中、焙煎中、焙煎後のクールダウン中に関わらず)に『ピーッ』という警告音が鳴るようになったのは開業の頃でしょうか。毎回鳴る訳でもなく、問題なく連続で焙煎出来る時も多くて原因が分かりませんでした。焙煎中にそれが起こると、パワーがゼロになってしまうのでレシピの再現が出来なくなります。ほんの僅かな温度の変化や時間など様々な要素に影響されるコーヒー焙煎ですから、少なくとも拘りである“自分が美味しいと思うコーヒー焙煎”からは逸脱してしまうのです。すぐに元のパワーに戻し焙煎は継続しますが、その豆をお客様にお届けすることは出来ません。つまりロスということです。もちろん衛生面などには何ら問題ないので捨てるなんて事はなく、ただ自分で楽しむコーヒーが増えるだけですが…笑。しかしあまりそれが多いのは商売として喜ばしい事ではないですよね?なので、代理店の担当者にエラーが起こる度に問い合わせのメールをして解決策を探りました。
最初の問い合わせ
最初に問い合わせた際の返答ではクーリング時のファンの空気の流れによってコーヒー豆の油分を含んだ煙がAillioの心臓部である下部の基板へと当たり、徐々に綿のような汚れが蓄積され、誤作動や故障の原因につながりやすくなるとの事でした。そこで早速ネジ3本で留まっている下のパネルを外して基板周辺を清掃しました。
また、排気・クーリングトレイそれぞれにダクトパイプを接続するためのアダプターも同時に購入しました。ちなみにクーリングトレイ用のアダプターはネットで探して両方とも径75㎜のパイプに繋げるように統一しました。
しかしエラーは治まりませんでした。
排気汚れ?
恥ずかしながら当初はログを見てエラーの内容を確認できる事を知りませんでした。最初の問い合わせの時に直接電話で教えていただいた通りログをコピーすると、
Error 47: (ここに数字が入る) - IBTS fan low speed
が原因だということが分かりました。
今度はログをコピペして担当者へ再びメールをしました。すると、このエラーコードはIBTSファンの回転数が著しく下がっている場合に発生し、排気汚れが疑われるそう。この時にコントロールパネルにErc6864の表示が出るらしいのですが、エラーが起こるタイミングが予測不可能かつ起こるのも一瞬なので表示の確認はできていません。また、発生しているモードにもよって内容が変わるらしいとの事でした。
排気周りはいつも綺麗にしていて、チャフコレクター・フィルターも毎回掃除しています。少々腑に落ちないながらも改めて掃除をしました。しかしながら、その際にチャフフィルターが上手く取り付けられていなかったのを発見し、それが原因であったかも知れなかったと推測。
しかし、それでもエラーは治りませんでした。
ついに問題は核心へ
再びログと共にメール。すると、今回の返答では“IBTS fan low speedはコントロールパネル部分奥にある赤外線センサーに付随しているファンの回転数が下がっている場合に発生する”というところまでは同じものの、ファンの掃除をすれば改善する見込みがあるとの事。前回の“排気汚れ”とは何だったのかと僅かに疑問は抱きつつも、ようやく核心に迫れた気がしました。
新たに写真付きの説明書がメールに添付されていました。
説明書を参考にIBTSファンまで到達すると、それは結構汚れていました。なるほど、これならエラーが起こる訳だと納得です。汚れが蓄積している事を知らなかったのは不本意ながら、パーツの存在とその手入れの必要性に気づくことができて良かったです。
更にIBTSファンは消耗品の意味合いが強いパーツで、使用度によっては症状が改善されず交換が必要な場合もあると付け加えられていました。焙煎時の排気はコーヒー豆の油分を含むので、ファンの外側がきれいでも内部に汚れが浸透している事があり、掃除をしてもエラーが出る場合はファン自体の交換が必要になるそうなのです。