遂にオーストラリアからコーヒーの生豆が到着しました! 当店のInstagramやブログを見ていただいている方へはとある国の農園からコーヒーの生豆輸入に挑戦中ということを時折報告していましたが、その国がオーストラリアでした。
オーストラリア産コーヒーとは?
日本でオーストラリア産コーヒーを見かける機会は少ないと思います。私が知る限りでは現時点で恐らく2銘柄ほどが流通しているのを見かける程度です(ホームページやSNSを持っていないお店もあると思いますので確実ではありませんが…)。
オーストラリア国内に25件かそれ以下ほどしかないコーヒー農園ですが、それらの農園で収穫された豆も主に国内で消費され、海外へはほとんど輸出されていません。また、オーストラリアは世界でも有数のコーヒー文化が盛んな国のひとつですが、オーストラリア自身もコーヒー豆の大半は海外からの輸入に頼っています。
そんなこともあり、日本ではオーストラリア産コーヒーは非常に貴重な存在です。更に今回仕入れた銘柄に関しては今日本中を探し回っても見つからない可能性すらあります。
実は今回豆を送っていただいたニューサウスウェールズ州バイロンベイにあるZentveld's Coffee Farm & Roasteryさんにも問い合わせ当時に自社農園産豆の在庫はありませんでした。ただ、その農園では焙煎豆の販売やカフェ運営もしていて、自社以外の農園から集めたコーヒー豆の販売もしているようです。幸運なことにクイーンズランド州内の農園で収穫された豆の在庫があるとのことで、今回はそちらをオーダーしました。
オーストラリア産コーヒー豆販売ページ
オーストラリア産コーヒーの特徴
オーストラリア産コーヒーの特徴、それはカフェイン含有量が低いことです。
そもそもカフェインはコーヒーの木が害虫や病気などの脅威から身を守るために生成しているものですが、害虫や病気による深刻な被害が発生していないオーストラリアは(※1)、コーヒーの木にとってストレスが少ない環境です。そして、病害虫のリスクがないということはつまり化学薬品を散布する必要がないということでもあります(コーヒーの木は農薬の散布によってもストレスを感じ、カフェインを生成するそうです)。
特筆すべきなのは、コーヒーの木にとって致命的な"ベリーボーラー(害虫)"と"さび病"は現時点でオーストラリアには存在していないということです。
そのような環境下でコーヒーの木は自己防衛のための過剰な量ではなく、あくまで自然な量のカフェインを生成しているとのことです。
↑上記はZentveld's Coffee Farm & Roasteryさんによって書かれたオーストラリア産コーヒーのカフェイン量についての記事です。"Australian Coffee Is Your Answer To Less Caffeine."の段落最後の"HERE"をクリックすると2012年にSouthern Cross Plant Scienceという機関によって行われた他国産コーヒー豆とカフェイン含有量を比較した試験のデータも確認可能です。必要に応じて翻訳などしながらご参照ください。
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おわりに
今回は結局なんやかんやで、植物防疫所に連絡(植物防疫の手続き自体は郵便局)、食品等輸入届出書の記入と提出、届出済印が押された食品届を税関へと提出という流れの全てを自身で行いました。"農園からのダイレクトトレード"は当店として(自分の人生的にも)初めての試みでしたが、なんとかやり遂げることができました。
国際輸送業者や現地の農園の担当の方々には何度もメールのやり取りをしていただくなどご迷惑をお掛けしました。この場を借りて再々度ご協力感謝いたします。
I’d like to take this opportunity to express my gratitude for your support!
最近では珍しくなくなってきた100gで1000円以上の値段の付けられたコーヒー豆ですが、それでも現在の当店のラインナップの中ではかなり高額となっております。フェアな価格ではあるのですが、オーストラリア産コーヒー豆に限り200g以上のご購入で5%OFFになるようにディスカウントを作成しておきました(割引はその他の豆には適用されませんのであらかじめご了承ください…)。
入荷量は決して多くはなく、再び仕入れが可能なのか現段階では分かっておりません。現実問題、農園側に次回も売っていただくことが叶わなければ今回が最初で最後になる可能性もあります。
このチャンスをお見逃しなく!
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(※1) 害虫がゼロということではなさそうで、生豆の中には何者かによって穴を開けられたものも散見します(もちろんベリーボーラーのそれとは明らかに違います)。それらは収穫後の倉庫などでの保管や輸送中、メイガというガの仲間によるものだろうというのが私の見解です。生産国に関わらず、生豆のハンドピックをしていると虫や虫の痕跡を見つけることは割とあります(もちろん虫食いを含む欠点豆は丁寧に取り除いています)。コーヒーも植物ですからそれはごくごく自然なことだと思っています。虫がいるということは人間にとっても安全ということですよね。