コーヒー豆のブレンドにはプレミックス(生豆の時に混ぜる)とアフターミックス(焙煎後に混ぜる)があります。どちらかと言えばアフターミックスブレンドを見かける機会の方が多めでしょうか?
これに関してはどちらが良いとか悪いとかということはなく、それぞれに以下のように特徴があります。
プレミックス
プレミックスは1回の焙煎で良いので作業行程が少なく済み、また、一旦美味しい配合とレシピを見つけてしまえば味の再現度は高いと言えます。ただし、1回の焙煎で全てが決まるので味の表現の自由度に関しては焙煎度合いを変えた豆を混ぜる事ができるアフターミックスには劣りますし、豆によって違う水分量などの影響で焙煎度合いにムラができる可能性もあります。
アフターミックス
アフターミックスは個別に焙煎するのでそれぞれの豆の焙煎度合いを調整することができ、味の表現の自由度は高いです。しかし、例えば3種類の豆をブレンドする場合、3回焙煎する必要があるので作業工程が増え、現状100gの注文が入るかどうかで1日が終わることも多い当店の場合はどうしても余る豆の量が多くなってしまいます。例えば仮に3種のブレンドを100gご注文いただいた場合の話ですが、当店の場合は1回で生豆を350g使ったレシピで焙煎する事が多いので、それぞれの豆がかなり余ってしまうんです…。当店のアバウトページなどに書いてある『アフターミックスのブレンドのみ当日~3日以内に焙煎した豆で作らせていただきます。』の裏にはそんな事情もあったりします。
また、焙煎度合いの違う豆を混ぜることができるというのはアフターミックスのメリットですが、一方で浅煎りと深煎りのように極端に焙煎度合いの違うブレンドはそれぞれの豆のエイジングのスピードが違う為、ブレンド直後には思い通りの味が出せたとしても時間が経過するにつれ味のバランスが崩れていってしまうかも知れないというリスクもあります。
応用編として一部(豆A+豆B)をプレミックスで焙煎し、それ以外の豆Cと豆Bはそれぞれ焙煎してプレミックスとアフターミックスの両方を取り入れて作るブレンドもあります。工程は多くなりますが、美味しさを求めた結果そのような方法を選ぶこともあるのかも知れません。
当店的には…
かねてよりブレンドのひとつくらいは持っていたいという気持ちはあるのですが、『これなら販売できる!』と思えるものになるまではもう少し研究が必要そうです。果たしてその時は訪れるのでしょうか…。ちなみに現段階ではプレミックスで満足できるブレンドを作れればなと考えています。
幸か不幸か今のところ当店のオリジナルブレンドの販売を熱望する声は聞こえてこないので、店主が満足できるまでゆっくりやります。