当店では、先日販売を終了したブラジル産のアカイアと今も好評販売中のキャラメラード、グアテマラ産のマグノリアとドラドのように同じ国のコーヒー豆を意図的に2種類扱っています。
それは何故かと言うと、同じ生産国のコーヒーでも品種、栽培環境、精製方法など大幅に異なる事があり、それにより風味の特徴も様々変わってくるからです。
このような生産国の話になると我々日本人に分かりやすいようにお米に例えられることがよくありますが、例えば『ブラジル産のコーヒー』というのは『日本産のお米』と言っているようなもので非常にざっくりしています。日本産のお米の中にも魚沼産コシヒカリや、秋田県産あきたこまち(お米には詳しくありませんが…)など品種や産地があり、風味などにも様々な特徴があるはずです。
つまり、一般的に“○○産のコーヒーは○○な味”と表現される事も多いコーヒーですが、必ずしもそうとは言いきれない時もあるのです。
更にお店によって同じ産地と銘柄でも焙煎の仕方が異なってきます。自身で全て同じ道具を使って同じ焙煎度合いに揃えて比較するならまだしも、そうでない場合に同じ土俵で味を比較するのは非常に難しい事だと思います。
例えば、“一般的に”深いコクと苦味で定評のあるインドネシアのコーヒー(こちらの記事もどうぞ)と、花のような香りや柑橘系のフルーティーさで評判のエチオピアのコーヒーですが、インドネシア産の超浅煎りもエチオピア産の極深煎りもそれぞれ見る機会は決して多いとは言えませんよね。上記で○○産のコーヒーは○○な味と必ずしも言いきれない時もあると書きましたが、正しくはそういう場合が多いとか、そういう味の解釈で焙煎される事が多いといった感じでしょうか。
今まで生産国に注目してコーヒー豆を買っていた方は更に地域や農園、品種に注目してみるのも面白いかも知れません。当店で販売中のコーヒー豆はあえて同じくらいの焙煎度に揃えていますので、例えばグアテマラ産の2種類を同時に購入して飲んでいただければ『同じグアテマラ産でも全然違うんだな。』という事を体感していただけると思います。